Androidでのコンテンツ販売について妄想した。

 Androidマーケットはすばらしい仕組みである。たった25$の参加料を支払えば世界中に何百万、何千万台かというAndroidマーケットアプリ搭載の携帯電話にアプリケーションを配信できるのである。配信のみならず、アップデートの通知やフィードバックやレーティング機能まで用意されている。アプリ提供者や開発者はなぜこの金額でこの仕組みを利用できるのか考えなければならない。

 その前に日本のモバイルコンテンツ配信の仕組みを見てみる。これはとてもよくできている。料金は通話料と合算して支払われ買いやすい。画像や動画コンテンツやアプリケーションは一定の条件を満たせば端末の機能によって保護され、コピーすることができない。自作の着信メロディ・着歌を携帯に設定することも難しいので、当たり前のようにコンテンツプロバイダの用意した(私的利用でも)コピーできないデジタルデータが売られている。だからコンテンツの版権を持っているだけである程度の収益が見込めていたはずだ。
 しかしこうしたコンテンツプロバイダは星の数ほどあり、ライセンスを買ってきてデータ販売コンテンツを作ってもあまり儲からないのではなかろうか。

 Androidマーケットでもアプリの販売機能を利用して画像や動画コンテンツを販売をしようとしているコンテンツプロバイダーも多いようだが、Androidマーケットでは日本の携帯電話でやってきたやり方が通用しない。
 Androidマーケットでは課金してアプリをダウンロードした後、ユーザーが気に入らなければ24時間以内なら購入をキャンセルし払い戻しを受けることができる。同じアプリに付きキャンセルできるのは1回までで、2回目以降はキャンセルできないという条件ではあるが、アニメやアイドルなどの壁紙データや動画データを売るということが成り立たなくなっている。これらはたいてい24時間以内に消費できてしまうのでコンテンツをタダで利用されて返品されてしまうと商売にならない。
 コピーの問題も深刻である。Androidではコンテンツやプログラムの保護にあまり熱心ではない。どちらかといえばアプリもWebサイトに近い。課金制のWebサイトを作ってアニメやアイドルの画像やムービーを公開しておいてユーザーにコンテンツをコピーさせないようにするには並大抵のことではできない。というか無理である。

 このため、Androidマーケットでアプリをダウンロードしてから24時間経過してからでないとメインコンテンツが利用できないという実装の案も出てきているようであるが、はたしてそんなものを買ってくれるのだろうか。多くの人が購入をためらうと思うし、私なら絶対買わない。

 Androidマーケットのアプリで収益を上げるにはどうすればよいか。

 まずは24時間では消費しきれない有用なコンテンツを販売することだ。
「Robo Defense」というアプリはタワーディフェンスというジャンルのゲームだが、無料版の「Robo Defense FREE」は25万件以上ダウンロードされている。無料版では自陣ユニットパワーアップが一定レベルでストップして最後のステージまで遊ぶことができない状態になっていて、2.99ドルの有料版はこの制限はなくなっている。つまり、有料版ではゲームの機能のアンロック(制限解除)を販売していることになる。無料版でしっかり楽しんで「続きをやりたい」と思った人が有料版を購入しているわけだが、これが2010年6月の段階で5万件以上売れているのだから少なく見積もって$2.99×50,000件で約150,000ドルの売上になっていて、このうち7割の10万ドルは開発者の口座に振り込まれているはずだ。悪くない。うらやましい。。

 また、儲けの仕組みを別サーバで運営する方法もある。RMTやEvernoteやドロップボックスなどWebサービスで課金し、アプリは無料の専用クライアントというパターンだ。

 また他の強力な手段に広告がある。AdMobやAdsense for mobile apps(AFMA)をアプリに組み込み、広告を表示する方法だ。
多言語対応した広告付き無料アプリが全世界に配信されると、Webサイトに換算してどれくらいのページビューになるのだろうか。
一般的な広告クリック率で計算するとどれくらいの収入になるのだろうか。
GoogleにとってAndroidアプリとはディスプレイ広告のスペースであると思う。だからたったの25ドルであれほどの(障害も起こすが)配信システムが利用できるのだ、と私は理解している。

 よくよく考えるとこれらの方法はパソコンのWebやアプリの世界では(もっとそれ以前からでも)当たり前のことなのだな。

大昔テレビが普及したころ、TVドラマに対して映画界からは「無料のドラマなど大したことはない」と馬鹿にされたとかされないとかの話があったそうな。でも私たちは地上波TVでは広告付きの映像コンテンツを視聴して楽しんでいる。
新聞や雑誌にも広告が載っている。レンタルビデオや映画館の上映前にも広告がある。

 広告が良いことなのか悪いことなのかわ分からないけどGoogleは今のところほとんど広告で儲けており、AndroidOSのGoolge独自機能は世界中に広告を配信するためにあるのは間違いないのだ。

 だから、Androidのフレームワークが日本の今までの携帯ビジネスのやり方にマッチしないのをどうこうするために努力するより、AndroidOSのルールで頑張るしかないと思うのだ。
ま、日本独自バージョンのAndroidが普及すれば別なのだろうが。

と、だらだらとつぶやいてみた。